ヒトリゴト。
Let's talk about
What you love.
1/25(水)
■ビショップ on リチャーズ @F1Racing Feb.2005
果たしてこの内容を日本で発行できるのだろうか。そのくらい、ビショップのホンダに対する考え方が明確に打ち出されたインタビュー。要するに、リチャーズをクビにした経緯に一応の理解を示しながらも、批判的。むしろリチャーズのほうがさばさばしている。尤もリチャーズは非常に外交的――社交的という意味ではなくディプロマティック――な人物だから、彼の態度や発言を鵜呑みにするのも考えものではあるが。少なくとも、彼は彼なりに、このインタビューの時点で、様々なことをすでに消化しきっている印象を受けた。
たしかに、リチャーズ加入前後のBARの成績を見比べたとき、今この時点でリチャーズを解任することについてパフォーマンスベースの合理的な説明がつけられない、と、合理主義能力主義社会に生きる人々が考えるのは、自然だ。それゆえに、原因を日本の硬直した会社文化(とビショップは書いている)に求めるというのも、わかりやすい帰結だ。…短絡的ではあるけれども。
実際、欧州で働いて日本に帰ってくると、オフィス内の非効率的な側面に出くわして苛々することはある。しかし一方で、欧州で働いていてその非効率性に苛々することもある。それぞれ重点を置いている箇所が違うし、背負った歴史・文化も違うから、一概にどちらがどうと評価はできない。とはいえ、日本の会社文化が個より集団と年功序列を重んじ、欧州のそれは個と能力を重んじる傾向にあるのは、まず間違いはない。リチャーズはいろいろと自分勝手にやりすぎた――または口を出しすぎた。それが彼の解任劇を聞いたときの私の初感想だったけれど、ビショップもどうやら同じ見解。
"two significant diplomatic errors of judgement"を、2004年シーズンにリチャーズはやらかし、それによってホンダとBATがリチャーズから離れたとビショップは考える。ひとつは琢磨の扱い。それから、ジェンスの移籍問題。前者については、リチャーズはジェンス移籍が話題になる前から水面下で熱心に交替人員を見繕っており、それがホンダのお偉方を怒らせたとみる。後者は、BATの稼ぎ頭(顔・成績ともにブランド広告塔として文句なし)に、みすみす他所のチームを近づけさせたという「管理不行き届き」が、BATのお偉方の逆鱗に触れたとする。琢磨についての記述は、容赦がないけれども、ビショップという人物を考えたときに、個人的な好き嫌いというよりはこれが向こうのスタンダードな反応と見るべきかもしれないと思う。他に比べる対象があればよいのだが。
ビショップはリチャーズのひととなりを、「たいそう好かれるか酷く嫌われるかのどちらか(love-him-or-loathe-him figure)」と称したが(ちなみに私もこの意見には賛成する)、ジャーナリストには好かれるタイプだと思う。いちど言葉を交わしたことがあるが、物腰は柔らかく丁寧で、きちんとこちらに向き直って話をする。あたりまえのようでいて、忙しないパドックではあまりないことだ。彼ならば、肝心なことは言わなくても、何らかのニュースのネタを提供してくれるだろう。
リチャーズがさばさばしていることに、ビショップはひとつの仮定――というか噂――を持ち出す。他のチーム代表が、「リチャーズがロンやフランクや、ペーター・ザウバーやエディ・ジョーダンを羨んでいると思う」と話していたというのだ。つまり、事実上チームを所有する立場を欲していたというわけだ。そして、フェラーリにおけるトッドとは違い、他カテゴリーでも活躍するリチャーズは「所有すること」に慣れており、単なる一従業員の立場には満足できなかったのではないかという。ふと、スバル時代を思い出す。一理ある、と思った。
以下、面白かったリチャーズの言葉を抜き出し。日本語版を見越して敢えて訳はつけません。下線部のみオンマウスで簡単な語彙が出ます。
"When people acquire organisations,
they invariably make changes - because they want to put
their own mark on things and do them as they want to do. I
respect that. Honda have their own way of doing things. They will, I'm
sure, be successful. They'll just do them differently, that's all."
"The objective of a good manager, in whatever business you're in,
is to engineer yourself out of your job. It may seem a strange
thing to say, but good managers keep standing back and delegating
and giving responsibility to others. And the best managers are the ones
who understand that responsibility best."
"My role (as a manager) is to challenge everybody. I expect everybody
to stand up for their views and
commit themselves. And I challenge
people on the outside (of the team) as well. I make
no bones about it. I would always challenge all my partners,
because I think that's the right way of doing business. Because that's
part of the role of a good manager: to make sure that the people around
you really will stand up for what they believe in, and will carry it out."
1/23(日)
書きかけておいて放置する、というかアップし忘れるという技をここのところ繰り返しております。10日後に気づくってなんだそれ。(書きかけたという事実を忘れてしまうらしいです…若年性痴呆症かよ;;)
↓(13日)の文は、ホンダについてもう少し肉付けしようと思っていたのを、思い出しました。知人からぽろぽろ聞いた話と、現実に公表されている話をつき合わせて、自分なりの解答の裏付けを取ろうとしていたのでした。どうやら面倒臭くなって放り出したようです(をい)。ホンダについては、私は実はそれほど思い入れはありません。というのも、私がF1を好きになったとき、すでにホンダは伝説だったから。だから、「強くないホンダ」に用はないのです。愛国心とも無縁の人間だしね。
どこの国の人でも、チームでも、組織でも、私の心に何か訴えるものを見せてくれれば、魅せられたぶんだけ私は彼らを愛します。それが私なりのスポーツ観戦法。
つまりやっぱり今年もジェンスやホンダについては「お手並み拝見」の方向で。ミヒャも同様で。DCに至っては本人が楽しんでくれればそれに越した事はなく。心配なのはラルフだ。そんな傾向。
楽しみにはしてますよ勿論。冬は開幕待ちのこのわくわく感が堪りません。
開幕前の戦力分析とかテスト結果だとかには、例年どおり、今年も殆ど触れずに行きます。結果がすべて、本番重視。ルールについては確認したいのだけどそこまで手が回ってないのが実情です。
BBSで呟いたとおり、F1Racing 2月号はBAR特集。フェラーリの対抗勢力として、チーム設立から丁寧に纏めてあるので、お浚いとしても役立ちそう。ちょっと真面目に読んでみます。リチャーズのインタビューがいちばん気になってます。
現在メディアにおけるフェラーリとBARの扱いは、ちょっと、94年開幕前のウィリアムズとベネトンの扱いに被る。それはやはり私がジェンスに入れ込んでいるゆえの錯覚なんでしょうけれど。
■WRCモンテカルロ
ガルが2位〜っ!(万歳)
いやあ何て幸先がいいんだ。最終レグで、2位だったグロンホルムと僅差4位で追い上げていたソルバーグが揃ってトラブってくれまして、めでたくガルちゃん開幕戦2位でございます。1999年のNZ(セアト)以来の表彰台ですvv
"I may have surprised a few people."というコメントがもー可愛くて可愛くて!
トップ4はシトロエン、フォード、三菱、プジョーと見事にばらばら。あ、優勝はローブで3、4位はそれぞれパニッツィ、マルティンです。グロンホルムは5位でした。
(ニュースはAutosport.comなので読めない人がいらっしゃるかもしれません。WRC公式サイトが登録制になってしまい、BBCはまだ順位表が上がってないので、仕方なしにAutosportをリンクしました。ご了承ください。)
■Autosport.comとAtlasF1の提携
AtlasF1からメールがきて、近々両サイトで相互乗り入れをするという。Atlasの会員は、ロイター配信のニュース、Atlas独自の分析記事のほか、FORIXのデータを見られるという特典があったが、これに加えてAutosport
Plus(Autosportサイト内の有料マガジンコーナー)へも自由にアクセスできるようになる。いつからサービス開始になるのか、Autosport会員がAtlasにアクセスできるようになるかどうか(詳しく比べてはいないが、双方の会費も同額ではなかったはず)は、まだ不明。
私はもともと両方の会員であり、しっかり年会費を払っているので、「損する気がするんだけど」とメールを送ってみたら、すでに払いこまれている会費でのアクセス期間の延長という対策を採る模様。つまり、私は損をすることもなければ、得をすることもないと、そういうことか。(笑)
AutosportとAtlasがあれば、一年間たいていは事足りる。購読を考えている人には、いいニュースかもしれない。
1/13(木)
アーデンには、BF3を卒業した(というかジャガーから放り出された)ジェームズ・コートニーが乗るかもしれないという話が昔ありました。結局テストでハネられたんだけどね。あの時、F3000のシートを得ていたら、少しは現状も変わっていたのかしら、とちょっと切なくなってみる。もちろん、この世界結果がすべてで、肝心な時に見る人の心に強烈な印象を残せなかったジェームズの責任なのだけれど。
ホンダは、口出しを嫌ってチームを買った。リチャーズを追い出したのもそれゆえ。ただし、画期的に違うのは、ホンダという会社はどこまでいっても結局は現場主義であるということ。少なくとも私はそういう印象を持っているし、現在の社長さんもそうだと思う。自動車会社でありビジネス屋であるのは事実だけれど、それ以前に何よりも、レース屋、なのだろう。
1/12(水)
ダカールで、二輪のメオーニが死亡、というニュースに驚いて記事(BBC)に飛びつき、原因が事故そものもではなく心臓発作だというので重ねて驚きました。2001年、2002年の二輪総合優勝者ですが、今年でダカールを引退する予定だったそうです。転倒するまでは、2位を走っていました。恰好いいオヤジという印象だったなァ。大治郎が事故ってから二輪とは距離を置いてしまったので、久々に二輪のニュースを確認して回りました。
今回、これで死亡者は10日のペレスに続いて二人目。それでも、かつてのように紛争国でゲリラに銃撃されたなんてニュースが飛びこんでこないだけ、平穏というべきなのかもしれないが。
※今回から新規トライアル。英文にオンマウスで訳が出るようにしてみました。…マックでも出るのかは知りませんが;;
■対岸の火事に非ず。
レッドブルが早速なにやら揉めているようなのを、あーあ、と傍観していたのですが、本日ハタと気づきました。駄目だよ傍観してちゃ。DCが乗るんだよそのクルマ!(……。)
すっかり他人事扱いしてたのでF1Racingの記事も読んでなかった。せめて各サイトの記事だけはと、慌てて読んできました。
何というか…ひととおり読んでもやっぱり、「あーあ。」という感想しか出てこないんですが…(笑)
アラン・ボールドウィン(Atlas/Reuters)は7日付でシンプルに交替劇とその背景を説明。国際F3000でアーデンを率いていたホーナーが
"jointly manage Red Bull
Racing together with a new technical director" ということで、その人事は数週間のうちに行われると公式発表があった、と報じている。ロイターがチーム内部から拾ってきたネタとして、ニキ・ラウダがジャガーを率いていたときにマネジングディレクターを担当していたシュタイナーの名が上がっているという。
一方で、レッドブルがチーム買収時にマネジメントは変更しないと宣言していたことを引き、人事異動についての詳しい説明が何もなかったことを指摘。
"There's a complete state of shock in the organization" と、チームの動揺を伝えるとともに、Autosport.comが前日(6日)に、レッドブルのHQ(オーストリア)とチームボス(パーネル&ピッチフォース)との間に溝が生じているらしいと報じた記事から、レッドブルのモータースポーツディレクターであるマルコのこんな発言を紹介している。
"Mr. Pitchforsh must recognise that he is an employee and not an
owner. All decisions will be taken in Salzburg and not in England."(英国・ミルトンキーンズがジャガーの本拠地)
これを受け、ボールドウィンは、ホーナーがその手腕を買われたといっても、実際にチームを切り盛りするのはマテシッツであり、マルコであるに決まっている、と結論づけている。
デイビッド・トレメイン(The
Independent)は、8日付け記事をホーナーの紹介から始めている。ここでは、彼と組むのがシュタイナーであることが内定事項として報じられている(確定は数週間後との予測付き)。以前にシュタイナーと仕事をしたエディ・アーバインの言を引き、"He
was the best thing to happen to the team, because of his approach. He
gave people confidence in themselves," と、明るい側面を打ち出している。同時に、パーネルとピッチフォースの解任について、チーム内部情報として、"Tony
and David were popular and ran the team in a democratic manner, but as
Jean Todt, Flavio Briatore, Frank Williams and Ron Dennis have proved,
democracy doesn't work in Formula 1. There is a strong opinion that they
were naive at times." と解説を加える。
トレメインもまた、HQとパーネル&ピッチフォースとの間で緊張が高まっていたことを記しているが、原因として特にドライバー選択について意見が折り合わなかったとしている。
クビになった側に同情的なのがケヴィン・イーソン(The
Tims)で、8日付け記事に、"Red
Bull has wasted no time in ditching Purnell and Pitchforth, who were credited
with taking the team from a series of dire performances to respectability."
と書いた。人事異動が伝えられたときのファクトリーの様子を "The
news was met with a stunned silence," と紹介し、スタッフが二人に好意を持っていた様を描いたのに加え、"They
were also highly regarded in the pitlane for their quiet but efficient
attempt to turn around a struggling team. Mosley once described Purnell
as one of only two intelligent team principals in Formula 1." とも記す。
さて、何が「あーあ。」かというと、ひとつには、幾らF3000で成功していても、F1はまったく規模も構造も違う世界であり、うまくいくとは限らないということ。ましてや、フロント側が運営にいろいろ口を出してくる状態では、どこまでやれるかは未知数だ。(決してホーナーを貶しているわけではないので念のため。彼がアーデンで達成した成績は心から素晴らしいと思います。)
それから、シーズン開幕を控えたこの時期になってドタバタと経営サイドが落ち着かないこと。これじゃあ、現場は堪らない。当然、レースでの結果など望むべくもない、ということになる。
マルコの発言を読むと、状況が一昔前の阪神っぽいなと思ってしまう。正直、今期のDCに活躍など期待してはいない。ただ、私は彼が好きだから、せめて安定した環境で、それなりに納得のいく仕事をさせてあげたいと願うのだ。現状では、どうやら難しい話、のような気がするが。
1/6(木)
明けましておめでとうございます。今年もなんとか "sans limite" 継続です。たまに思い出したように遊びに来ていただけるとちょうど宜しいのではないかしらと。(いやいやもっと真面目に更新なさいよアナタは。←to
me)
■ダカールラリー
去年つくったパリ=ダカ紹介のページを、また期間限定でアップしようと思いつつ、ドタバタしていてできずにおりまして、そしたら本日、私にとってのダカールラリーは終了しちまいました。…だってコリンちゃんがリタイヤしちまったんだもんさ。
今年も年明けにあわせてスタートしたダカールラリー。最初8番手につけたコリンちゃんは、第3ステージで勝って総合トップに踊り出ると、続く第4ステージではパンクに見舞われて10位まで後退するものの、第5ステージで優勝をもぎ取って再びトップに返り咲き、スタート前の「優勝するつもりで行くよ〜んvv」というコメント(Autosport.com)を裏切らない展開に、ドキドキして見守ってたんです。(昨年と違って仕事があるので細めには追っかけられてませんでしたが。…もしかしたらそれがいかんかったんか。)
なのに、第6ステージで、派手にローリングかましてハイさようなら。風が強く、とにかく視界が悪かったようです。コリンが「ちょっとバウンドするかな?」と思ったバンプが、実際はかなり大きなもので、"They
lost control after a very heavy landing on one of the numerous jumps and
were sent into a multiple roll."(マネージャー談,
BBC )――ただし、コリンもコドライバーのティナも無事とのことで、まぁよかったよかった。コリンは頭を打って10分ほど目が見えなかったといい、メディカルチェックで問題なしと出たあとも「目がチカチカする」と言っているので、後遺症が出なきゃいいけど。ティナは、背中を打ったらしい。
個人的にミスター・ダカールだと思っているシュレッサーが、今年はトラブル続きで苦戦してます。今年もコリンのチームメイトはバタネンですが、彼も苦戦中。も一人気になるユハは、6番手で踏ん張ってます。日本勢もあんまり振るいませんねぇ…。頑張ってた篠塚さんも本日クラッシュアウト(乗員は"OK"とのこと)、増岡は足回りのトラブルで110位まで沈んでしまい、第6ステージで2位に入ってだいぶ挽回したものの、まだ42位。
ま、コリンちゃんじゃないなら、誰でもいいですよ→総合優勝(苦笑)
敢えて希望を述べるなら、三菱かな。会社の不手際は、レース関係者の不手際ではないので。勝って、伝統ある三菱チームに少しでも活気が戻れば嬉しいな。
今後、レポートする気はないですが、一応サイトは以下に。
→ ダカールラリー公式HP(英語サイト)
→ 昨年つくったパリ=ダカ紹介ページ
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