Sep Aug July June May April March Februaly January 2003


ヒトリゴト。
Let's Talk about What you like.

8/29(金)--------------------------------------------------------------------------------

■来るべきもの

実は、ハンガリーGPの雑記に書くのを敢えて控えた内容があります。誰かを傷つけるからというよりは、書いたら自分がドン底まで落ちこみそうな気がして。
何かを書く、ということは、そのために問題を深く掘り下げることを意味するから、見たくないものも見えてきてしまう。サイトを持って1年ちょっと、わざと見ないという奥の手もけっこう頻繁に使ってきましたが、1週間経って気持ちも落ち着いてきたので、ここらで一旦、見据えてみます。

GYの大不振の年と比較して現状を見たとき、BSにすべての責任をひっ被せることはできないと気づく。たとえどれだけ足を引っ張られようと、尻を叩いて叱咤して、自力で這い上がってきたのが彼らだった。今、同じことが彼らにできるか? できるのだとしたら、何故これほどまでに梃子摺っているのか。
残り3戦に至って未だ解決の糸口すら掴めていない(ように見える)問題が転がっているというのは、決してチャンピオンに相応しいことじゃあない。「今回もするべきことは同じ」、そう書いた後に、本当は「だが、できるのか?」と付け加えたかった。できるのかできないのか、冷静に現実を見ればどうにも難しい気がする。でも難しそうに見えるからこそ、できると信じたい。すべての結果が出るまでは、自分くらいは信じていてやってもいいんじゃないか。…相反する思考ではあるが。
正直な話、ついこの間まで、本気で「今年は誰か他の奴に勝ちを譲ってやってもよし」と思っていた。でも結局は私もファンの端くれで、全力で挑んでなお敵わないミヒャ、なんてものは見たくないのだ。彼が負けるときには、それなりの理由がなければならない。今期、私がずっと平然と他の人を応援してこられたのは、勝てないのはBSが原因、と割り切っていたからだった。
今でも最大の原因はタイヤにあると考えている。しかし同時に、いつまで同じ問題に足を引っ張られているんだ、と苛々しはじめてもいる。「どんな苦境からでも立派に立ち直ってくるのが、あなたたちじゃなかったの?いつまで手を拱いてるの、シーズン終わっちゃうじゃないの。しゃっきりしなさいよしゃっきり!」
ミヒャエルの腕に不安は持っていない。不安なのは、チームの総合力の低下だ。どんないいドライバーも、ひとりでレースは戦えない。いつか来るものと覚悟は決めて久しいが、恐怖がなくなったわけではない。

ただ、ひとつ確信していることがある。たとえば今期、タイトルを獲り逃がしたとしよう。彼は、そして彼のチームは、それで終わってしまうだろうか?
   答え。「そんなわきゃあない。」

【更新】
リンクにロイター通信社のモータースポーツページを追加。



8/27(水)--------------------------------------------------------------------------------

■ごめんなさぁ〜いっっ m(_ _;)m

『調べもせず』さらっと大嘘書いたのは私です…。↓
ミヒャの2回目のストップ時のロスタイムは、正真正銘ガス欠が原因でした。少なくとも、英国系メディアの言うことを信じれば。
私が勘違いしたのは、ミヒャエルのピットストップ作業そのものは実質8秒程度で済んでいた(ように見えた)からで、ガス欠だったというならどうして作業が終わった後にタイムロスがあったのか説明がつかないと思ったからでした。
AutosportおよびAtlasのレースレポートによれば、「ピットインした時にガス欠が原因でエンストした」ということらしいです。この他、BBCもはっきり『ガス欠』と書いてます。
実は、ミヒャエル自身もウェブサイトで説明していました。「2回目のピットストップ時にガス欠を起こした」「奇妙に思えるかもしれないけど、限界で攻めているとこういうことも起こりうるんだ。チームは事前に計算した燃費に基づいて作戦を立てるけれど、実際に100%正確ってことはあり得ない。走行中に様々な理由で燃費は変わってくるからね」(以上、またしてもAltaVistaを元にした意訳)
フェラーリのレースレポートでは、この2回目のピットストップを「最後」と書いていますが、これは他の誰も口にはしていません。英国系メディアは3ストップ作戦の2回目でトラブルが発生して時間を食ったという見方をしているし、何よりプレスリリースでロスが「3ストップは正しい戦略だったと思う」と発言しています。

何はともあれ、本日の教訓。やっぱり専門家の意見にはきっちり目を通してから発言すべきですね。反省しきり。


8/27(水)--------------------------------------------------------------------------------

■ハンガリーGP メモ

ミヒャの2回目のピットストップ時に、何が起こったのか。
フェラーリのプレスリリースでは、ミヒャエルとロスが口を揃えて"run out of fuel."
「…『ガス欠』?…んなわけないでしょ。」
映像(地上波)を見る限り、状況はオイル漏れだ。ホースを外した後、慌ててサイドポンツーンの上を拭いている様子を、国際映像がばっちり捉えている。
調べてみたら‘run out of’には文字どおり、流れ出すという意味があった。これなら状況とも一致する。
現在のところ、ちゃんと訳している日本語のサイトは見当たらない。これも翻訳の難しさだと、割り切るべきかどうか。(状況不明ならともかく、映像見れば一発なのに調べもせず慣用的に訳したのであれば、ちょっと、ねぇ…)

そのピットストップ戦略について、少々自己満足の分析なぞしてみた。
31周目、ヤーノの2回目ストップ直前のミヒャエルとの差は2.4秒(ヤーノが前)。出てきたときにはミヒャの21秒後方にいた。その後ミヒャエルは自己ベストを並べて、39周目にピットに入る時点ではヤーノとの差を30秒まで広げた。
ピットインのロスタイムは18秒+静止時間(地上波情報)で、2周前に15周ぶんの給油を済ませたJPMのタイムが7秒フラット、他の3ストップ勢もだいたい7〜8秒程度だったから、恐らくフェラーリも予定していた静止時間は7〜8秒程度だったと考えられる(状況が状況なので、ここでミヒャエルが10周分のみの給油をしたとは考えにくい)。そうすると、本来のロスタイムは25〜26秒だったという計算だ。
実際には両者がコースに復帰したとき、ヤーノは0.731秒前にいた。トラブルさえなければ躱せていた。
それで全体の展開が大幅に変わるわけではないのだけれど、心理的にささやかな慰めにはなった…か、な?
(データ参照: ATLAS F1

【更新】
ハンガリーGPの雑記、26日執筆、27日大幅改訂。今更ながら自分の原点を実感。



8/22(金)--------------------------------------------------------------------------------

■遅まきながら、ラルフ。

実質的な勝訴。こういう場合、チームとしては完全無罪を勝ちとるより情状酌量を狙うのが順当だ。
ラルフのウェブ日記に本人の話が掲載されている。AltaVistaにて独→英訳、相当酷いがまぁ理解できない程ではない)

8月19日の日記
「昨夜、ホテルでフランク・ウィリアムズ、サム・マイケル、ディッキー・スタンフォード、弁護士と打ち合わせをした。今朝も朝食前にミーティングをして、訴訟をどう進めていくか確認した。事故の経緯をチーム側の観点から説明し、僕に全責任を負わせるのは無理だと証明することがポイントになると思う」
「チームは僕の無罪を証明するために頑張ってくれた。すごかったのは、僕の位置からでは左端のライコネンは完全に死角になっていたという図解だ。僕の弁護のために時間と労力を割いてくれたサムには感謝している」
8月20日の日記
「昼過ぎにフランクから最初に電話があったとき、僕はジョギング中で出られなかったんだけど、じきに英国からの素敵な知らせは耳に入った。ハンガリーでの10グリッド降下処分はなくなって、代わりに罰金が課せられることになったんだ!こんな裁定は期待してなかった。もちろん、希望は持っていたけれどね」
「そりゃ5万ドルもの罰金は僕のジャンプを数センチ低くしたけど、それでも僕はすごく喜んでいるし、FIAの判断に感謝している。あぁそれから、僕らの作戦もとてもうまくいったと言わなきゃならないな。たぶん、僕の位置からではキミは見えなかったと証明したことが、いちばん効果的だったんだろう。チームに改めてお礼を言うよ、これでハンガリーに嫌々行く必要がなくなったんだから」
「チームには、最高のドライビングで恩返しがしたい。これでハンガリーでの楽しみが増えたばかりでなく、ごく僅かではあるけれども、理論上は僕にもまだタイトル獲得のチャンスは残ったってわけだ。全力を尽くすよ」

最後の一文は、英語に変換したらこうなった。"my tiny small theoretical chance"
…そんなに強調しなくても。(笑)

■ミヒャ、引退について語る   F1 Racing 8月号

遅くなったが、F1Racing 8月号からミヒャエルのインタビュー(3p, アラン・ヘンリー)の紹介を。目新しくはないが、ちょっと目に留まった個所を抜きだしてみた。

“I also think that all of us, if one day we decided to stop, have a responsibility not to let Ferrari just fade away after that. We're responsible enough to think of that.”
“If one day I have a team-mate who blows me away, perhaps it's better to stop rather than try everything and maybe risk my life. If I find myself in that situation, that may perhaps be the time to say goodbye.”


「チームメイトに負けたら辞める」という部分で思わずにやりとしたのは、かつて若かりしミヒャがやったことを思い出したからだ。そう、彼はデビューするなりベテランのチームメイトを叩きのめして、チーム内に居所を確保したのだった。


8/19(火)--------------------------------------------------------------------------------

またしてもご無沙汰です(^^;)
事情は掲示板に書いてあるとおりでして、まだ復旧はしていないのですが(今はメモ帳に手書きしてます)、書きたいことがあったのでご挨拶がてら。

■さらばフライング・フィン

BBCでおトミさん(トンミ・マキネン、現スバル在籍)が今期限りで引退という情報を知り、ショックを受けつつWRCのニュースを漁りに行って、ガルちゃん(トニ・ガルデマイスター、現シュコダ)が手首を骨折という話にコケる。何でも先週の土曜日、アイスホッケーのチャリティーマッチにて「シュートに失敗して転んで、手をついたら折れた。馬鹿みたいだろ。ま、一週間で直るっていうからオーストラリアには間に合うでしょ」

トンミについて、とくにこれといった思い入れはない。敢えて言えば、私にとってはF1におけるセナ・プロスト的存在だった。私がWRCに興味を持った頃、三菱を駆る彼は連勝街道をひた走っていた。彼のうち立てた史上初のタイトル4連勝という記録は、なかなか破られることはないだろう。
「見るべきものは見たし、タイトルも4つ獲ったし、真面目な話、これ以上続けても僕にメリットはない。トップレベルにいるうちに退くのがいちばんだよ」
「それに来期からのルール変更を考えるに、ひとつの時代が終わったと感じたんだ。辞めるなら今しかないってね」
本当に満足して、幸せに引退できる選手が、スポーツの世界にどれだけいるだろう。彼の迫力ある走りが拝めなくなるのは残念だけれど、同時に満足だと言い切れる彼を羨ましく思った。
スバルの空席には、リチャード(バーンズ、現プジョー)が出戻るそうな。

■ラルフの立場。   タイトル争いに関する一考察。

ラルフがウィリアムズに加入した経緯は、兄さんがフェラーリに加入した経緯とはまた違う。とはいえ、かつて常勝と謳われ現在は低迷するチームの牽引役を担うポジションについたのは明らかだった。今期、カーナンバーは逆転しても、ついこの間までは彼こそがウィリアムズのエースだった。…そう、母国でのトラブルさえなければ。
現在、残り4戦でチームメイトとのポイント差は12、チームメイトはミヒャエルを6pt差で追っている。ドイツGPの後に「諦めるな」と叱咤したが、それはあくまでラルフの心情面でのこと。チームがあからさまなオーダーを出すことはないにしても、彼がタイトル戦線に復帰できる確率は、低い。
ミヒャエルかJPMか、といえば実は私は後者のタイトル獲りを応援している。強いミヒャも恰好いいけれど、もういちど追う側に立つミヒャが見たいと思うからだ。しかし、落とし穴もある。JPMが勝つことは、すなわちラルフが「後から来たのに追い越され」てしまうことを意味している。
実は、同じ理由でずっとキミのことが応援できないでいた。ここでキミに戴冠されては、DCの立つ瀬がない。しかしラルフの立場については、迂闊にもこれまでちっとも気づかずにいたのだ。
彼のチーム内での基盤が揺るぐことはないだろう。契約更新についてチームは明言を避けたけれど、実際フロントと一悶着あるのはむしろJPMのほうだ。それでも、ラルフの心境を思えば笑ってなどいられない。
逆立ちしても後4戦、2ヵ月後に笑うのは果たして誰か。久々に胃の痛い秋になりそうだ。


8/7(木)--------------------------------------------------------------------------------

ご無沙汰です。ただでさえ夏は苦手なのに、梅雨明け直前に英国なんぞに行ったのが間違いでした。2年前の帰国時に負けず劣らず、すばらしく夏バテてます。冷房負けともいう。毎日怠くて眠くてかないません。
とりあえず、夏のあいだは普段の7〜8割程度で運営していきます、御了承ください。

■ドイツGPに関するコメントから

○ミヒャエル(4周残してのタイヤバーストについて)
"There is that famous word that starts 'sh'. That came to mind."
 →‘Sh’で始まる単語は、言うまでもなく、4文字のアレですね(笑)
○ヤーノ(パルクフェルメでマシンを降りてから表彰台に上がるまでの間について)
"I was screaming to the doctor 'I've been waiting for this moment, and you cannot stop me from going there!'"
 →熱でふらふらの彼は医者に表彰台に上るのを止められたらしい。気持ちは判るが、駄々っ子のようだ。

■来年の話

バーニーの来期のGP計画について。
復活を確約された(らしい)スパはもちろん、とりあえずイギリスも全18戦の予定には入っているようでちょっと安心。もしこのままカレンダーに残るのであれば、来年また行きたいなどと無謀なことを考えている。
鈴鹿は最終戦から外されるようだが、それはそれで残念な事態かも。その他おもな変化は、バーレーンGPが春に行われるのを受けてブラジルGPが秋開催になっていること、アメリカGPがカナダの次に置かれていること。
もっと大きな変更予定は、レースウィークのスケジュールにある。公式のレースウィークを2日間に減らすことで、TV視聴率を上げようというのがバーニーの狙い。彼の思惑どおりに事が運べば、フリー走行と1回目の予選は土曜日に行われ、最終予選とレースが日曜に行われるようになる。1回のGPにかかる日数を減らし、開催GPの数そのものを増やす、という計画だ。しかしこれは未だに全チームの了承を得ておらず、もし反対があった場合、どれかひとつのGPがカレンダーから落とされる。カナダかサンマリノというのが大方の予測だが、イギリスもうかうかしてはいられまい。(ドニントンに移るかもという話はべつに私は構わない)
どんな形式だろうと観ているだけのこちらは面白ければ結構だが、現場に負担がかかりすぎるのは、彼ら(のうちの少なからぬ幾人か)の幸せを願う立場としては、非常に困る。

■もひとつバーニー

ドライバーはパレードの時にお愛想を振りまくべきか否か?
バーニーの言い分は、「暑い中に座って観ている観客に対し、パレードの間お喋りに興じているなどもっての外。ちゃんとにっこり笑って手を振りなさい。さもなきゃ罰金とるよ。」
さて、一観客から言わせて貰えば、暑い中わざわざ席にいるのはこちらの択んだことで、ついでに単なるお愛想笑いを見るよりは、せっかくひとつの荷台にすべてのドライバーが同席してるなら、勝手に喋っててもらったほうが人間関係垣間見えて楽しいのですけどね?

【更新】
ドイツGPの雑記。雑記というか思いついたままにメモ。


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