ドイツGPの雑記
Aug 03 2003
 
 


ドイツGPについて若干のメモを。


F1を好きになって、視覚とは慣れるものだという現実を知った。昨年のコメントが嘘のように、そのコースは私の視界に馴染んでいた。ドイツGPがそこで開催されることに違和感はまったくなかった。もっとも、『ホッケン』という名前を聞いて私が思い浮かべるものは、未だに森と木漏れ日と緩くカーブする長いストレートとシケイン、なのだけれど。

ファンであること=応援、でなくなって久しいが、現在の私の優先順位は次のようなものだ。誰より応援していて結果を出して欲しくてやきもきする相手はDC、チャンピオンシップ争いで頑張って欲しいのがラルフ、とにかく幸せでいてくれればいいのがミヒャエル。
ミヒャエルの応援はもはや本当に驚くほどしない。けれど、いちばん大切なひとはと尋ねられたら、答えはひとつしかない。
そんな私だから、今回のレースは純粋に楽しめた   最初のラルフのトラブルを除いて。

中盤のルノーとミヒャエルのペースの差は気にならなかった。ミヒャは1回目のピットストップ時に多めに積んだから、そうそうペースは上がらない。無理をすればタイヤが傷む。心配せずとも、次のピットインをお互い終えたときにはきっとひっくり返しているだろう、との確信があった。とはいえ、ヤーノと同じタイミングでピットに入ったのにはちょっと驚いた。到底ロングランでくると思っていたのに。(確信はないが、あと少し引っ張っていたら前に行けたのではないだろうか?ちなみにDCも同じ作戦できてアロンソを逆転しているが、状況を見ての作戦変更   あわよくばヤーノとミヒャエルの前にも出ようとした   だったことはチーム側もDC自身も明言している)
ただし、そうなっていたらあのオーバーテイクは見られなかった。「何者だこの男!?」、それが私の咄嗟の感想。(でも、直後のデビの時のほうが大喜びはしていた…苦笑)

JPMの走りにはただ、感歎の溜息を。もし彼がもっとコンスタントにこういう走りをするようになったら、我らが王様の脅威になり得る。今のところは、まだ案ずるほどのことはない。彼の前に立ち塞がるほどの相手はいない。だから安心して楽しんでいられる。
安心していられないのがDCだけれど、ここ2戦、生きのいい走りは見せているから、まぁ良しとしておこうか。結局のところ、どういうわけか私は彼にベタ惚れなので、ちょっとでも恰好よければ嬉しいのだ。

パルクフェルメのヤーノの表情は、疲れきってはいたが、とてもいい顔だと思った。実は熱があって…という話を知ったのは、翌日の夜のこと。こういうシーンに出くわすたび   全力で闘いきった彼らの表情を目にするとき、やはり自分はこのスポーツが大好きなのだなと実感する。

ラルフの現状にはひとこと、ご愁傷様と。敢えて厳しい言い方をすれば、いいスタートをきれていれば避けられた事態だ。かつて同じことをミヒャエルにも言った。その年、彼は苦しんだけれども最終的にタイトルを獲った。もう無理だと諦めるのは、いつでもできる。周りが何と言おうと、自分だけは信じ抜け。自分にそれだけの力量があると、必ず目指す栄光を掴むのだと、決意を新たにやり直せ。まだ、ゲームオーバーには早すぎる。そうだろ、ラルフ?

夏休みを迎えて、チャンピオンシップの行方は混迷を極めている。
昨年とは何という違いか。
レギュレーションの故だろうが何か他の要因だろうが、どうでもいい。私は今期、久々にわくわくしながらTVに向かっている。
レースは何が起こるか判らないから楽しいのだ。
そんな難しいシチュエーションで、信じられない底力を発揮してくれるから、嬉しいのだ。


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