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・・『パリ=ダカ』を支える人々・・
パリ=ダカの運営は、大会そのものの運営にはじまり、コース管理、食事、医療、結果集計など多岐にわたる。
オフィシャルサイトによれば、2004年のイベント運営に関与している人数は全体で1,500名。いくつか数字を拾えば、大会運営本部に加えてスチュワードが180名、警察官が300名、憲兵が65名、消防士160名、警備員75名、ボランティア80名、そして医療班。その他、メディア関係者なども加わるから、相当の人数が関わっていることになる。
+主催者の仕事+
パリ=ダカを現在運営しているのは、A.S.O.(アモリー・スポーツ・オーガニザシオン)という組織で、元スキープレイヤーのジャン=クロード・キリーをトップとし、傘下にレキップ(スポーツ新聞誌)、パリジャン(一般新聞)、ツール・ド・フランス(自転車レース)、パリ・マラソンなどを抱える一大グループだ。
2月頃から翌年のコースの検討をはじめ、3月には首脳陣がアフリカに入り、大まかなルートを設定する。その後、通過する国々との折衝を進め、同時に次回のラリー参加者へのプロモーションを始める。参加者受付は6月からはじめ、9月にはプレ・レギュレーションを発行。
10月に再び首脳陣がアフリカに赴いて、ロードブックを作りながら最終的なコースを設定するのだそうだ。その間、食料、燃料、スタッフや関係者、メディア関係者などの輸送機関の手配など、様々な準備も進めていく。
実際にレースが始まれば、オフィシャルスタッフ約100名、オフィシャルカー30台、飛行機17機、ヘリコプター8機(数字は2002年実績)が、競技参加者とともに毎日コースを移動していくという。
+医療班+
通常のサーキットレースと違って、砂漠の中を進むパリ=ダカでは、なんでもない事故や故障も命に関わる事態に発展しかねない。砂丘で車がひっくりかえって怪我をすることもあれば、故障車の修理待ちの間に体調を崩すことだってある。
こうした緊急時の対策として、競技参加者たちは全員、エマージェンシーキットの携行が義務付けられている。これはサバイバルキットとも呼ばれ、中身はライター、ストロボライト、トーチ、発煙筒3本、磁石コンパス、信号用ミラー、水5リットル、1人あたり1.5リットルの飲料水、毛布、シートベルトカッター、ホーン、救難信号ビーコンが入っている。ビーコンを発信すると、オフィシャルカーやヘリコプターで医療スタッフがすっ飛んできて救護にあたる仕組みだ。キャンプ地の中のメディカルテントで手当てすることもあれば、程度によっては近くの首都の病院、果てはフランスまで飛行機で運んでパリなどの病院に入院させたりすることもある。
2004年の医療班の構成は、野外医療施設(Field Hospital=野戦病院)・2ヶ所、メディカルセンター・1ヶ所、赤十字テント・6ヶ所、内科医14名、外科医2名、看護師11名、ヘリコプター4台。大会運営本部には砂上走行用バギーもあって、どこへでも駆けつけられる体勢を整えている。
医療と護送システムを担当しているのはフランスの会社で、競技参加者は全員、車検の時に強制保険に加入させられる。それによって砂漠の中での捜索費、負傷したときなどのフランスまでの送還に関わる輸送費が保障される。
+食事+
競技者・関係者たちはどんなものを食べているのか?
食事の配給は、主催者の手配したケータリングスタッフが行っている。朝はコーヒーや紅茶、カフェオレなどにフランスパンとビスケットといった、いわゆるコンチネンタル・ブレックファスト。ビバーク(キャンプ)内のテントで食べる夕飯は、オードブルやスープ、メインディッシュと野菜・パスタのつけ合わせ、デザート・チーズ、コーヒー、ワインやビールもついているフルコースの食事で、メニューは日替わりだそうだ。空をめがけてレザービームが一本照射され、それが食事班の準備ができた合図。夕食の時間はだいたい7時ごろだが、到着が遅れたチームに対しても夜半まで供給を続けてくれる。
リタイアがまだそれほど多くもないアフリカ前半ステージでは約2、000人分もの食事を準備しなければならず、各国ごとに現地の人々がボランティアで食糧班を手助けしているが、食べる側も長い行列を待つのが恒例。食糧確保は、今では大型飛行機で輸送しているが、かつては4台の大型トラックでチームを組み、シフト制で担当していたのだという。
さて、選手(及び航空機移動以外の全スタッフ)には昼食としてランチパックが毎日支給される。中身は小さなポークパテの缶詰と乾パン、ミックスベジタブルの缶詰などのほか、ビスケットやナッツ、ドライフルーツ、チーズ、スポーツドリンクの缶詰など、「ひたすら甘い」。もちろんハイカロリーは計算の上だが、大抵の人は食べられずに残す。というより、レース中の競技者はランチパックを食べる余裕などない、というのが現実のよう。そのため、4輪の競技者たちはランチパックを貰わないことも多いらしい。
ちなみに、2輪の選手は、給油の間にうまいこと昼食を済ませてしまうのだそうな。
*参照: TOTAL DAKAR COM, PARIDAKA-INFO.COM,
日産モータースポーツ
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