● おみやげ探し。

買物エリアにて、何故かカメラ目線の見知らぬおじさま。プログラムの合間を縫って、土産探しに奔走した。
ショップやイベントブースはすべて、サーキットの北西、ピットストレートスタンド裏のコース外縁に沿って設置されている。当然プログラムの間には多くの観客が詰めかけるのだが、鈴鹿の混雑ぶりを知っていると、ゆったりしたその雰囲気はちょっと意外だ。
理由は、スペースの広さにある。店舗用のテントやブースは通路の両脇に軒を連ねるのみで、通路を遮る障害物は何もない。道幅は、広いところではゆうに20メートルはありそうだ。GPの時期が時期なので――シーズンの真っ只中――セールもなく、一定の間隔で似たような商品を置く店が並ぶため、どこか一箇所に人が群がるということもない。
…などと書くとあまり面白みがなさそうに聞こえるが、実際には似たような商品でも微妙に値段が違っていたり、品揃えも焦点がずれていたりするので、あちこち見比べて歩くのは楽しかった。
長さ=強さ…なわけはない。
多かったのはやはりウェア系。各チームの公式グッズは勿論、ちょっと怪しげなものも出回っているのは英国ならではかもしれない。とはいえ、最近はFIAの締め付けがきつくなったため以前より数は減ったそうだ。オリジナル一点ものの醍醐味は、運営者側には理解できないらしい。
公式グッズも、まだシーズン半ばということで雑誌などでも未紹介のデザインがあって、ただし値段は総じて高めなので、たまに気に入ったものがあると「鈴鹿まで待つべきか否か」と財布の中身と為替レートを頭の中で並べて算盤を弾いたりもした。
着るものの次に多かったのが、携帯電話の着せ替えカバー。ボーダフォンやノキア用のチームカラーのプラケースのようなもので、一種のサポーターグッズだ。これは去年からのシリーズらしく、ジャガーのエディ・バージョンが叩き売られているのが哀愁を誘った。
ここ数年鈴鹿で勢力を揮っているテディベアは、本場英国でも健在。公式グッズなのでサイズもデザインもさほど目を引くものではないが、陳列の仕方がたいへん目を引いた。左の写真、テントの天井からぶらさげてあるミヒャ熊の長さにご注目。パスケースと比べてみてください。それから、これが幾本も天井からぶら下がっているところを想像してみてください。いや、笑ったのなんの。

実は今回、とくに探していたものがあった。スコットランド国旗(聖アンドリュースクロス)と、ピンバッジだ。国旗はあればもうけものという感覚で行ったのだが、背負って歩いている人はよく見るものの、どこにも売ってはいなかった。ピンバッジも、10年ほど前からFIAの統制を受けるようになっていて(この話はまだ学生の頃にFORZAの店主に聞いた)、期待したほどは見つからなかったが、古いものや限定品が幾つかの店でウィンドウに飾ってあった。シルバーストーンのなかなか恰好いいデザインのものがあり、気に入ったのだが、まだ商品を見繕いはじめたばかりだったのでとりあえず保留にし、あとでまた戻って買おうと思っていたら、ほんの数十分の間に売切れてしまっていた。どうやら仕入れが10個以下だったらしい。これはと思うものは即買うべし、と学習。がっかりしつつ、シルバーストーン公式グッズのブルーのものと、2003年英国GP記念バッジのふたつを代わりに購入。

シルバーストーン公式商品は、ピットストレート裏の常設(たぶん)売店で売っている。12畳ほどの広さの店内にあるのはほとんどがウェアだが、バッジやハンカチ、コップなどもある。2年前にF1テスト見学に来た折にパドック裏にあった店が移転したのか、前からここにあったのか…当時はこちらのほうには来なかったため判らないが、品揃えは似たようなかんじだった。

写真やポートレートが多いのもまた、英国の特徴かもしれない。いわゆるスナップは置いてある店とない店とあるが、日本のように丁寧に陳列してあることはまずなくて、バスケットに無造作に放りこんであるのをひたすら探す。その他、大判の写真が額に入って、これまた無造作に床に積まれていたりするのだけれど、これが精々10ポンドとか高くても40ポンドとかで、ほとんど叩き売り。荷物になりさえしなければ持って帰りたいものもちらほら。
ポートレート系では、今回GPには出店していなかったが、水彩でマシンやドライバーを描いたカードやメモ帳を作っている非公認のショップがある。F3によく来ており、今回も期待していたので残念だったが、ドニントンパーク・サーキットで売っているのを知っていたため、後日そちらをあたった。

写真もだし、ドライバー関連グッズもだが、往年の名ドライバーの商品がけっこう売られている。セナが多いのは納得するとして、ヒル、マンセル、ハーバートら英国系は実に強い。観客の出で立ちにも、彼らの名を関したシャツやキャップは多く見られた。

あとは、薬局があった。各種市販薬のほか、サングラスやフィルムなども取り扱っている。ただし、フィルムは一本5ポンドとかなり高価。それでもこの薬局以外にフィルムを販売している店はない。サーキット周辺にも売っていないので、写真を撮るつもりのひとは大量に用意しておくほうがいい。

他になかったものが、飲食関連の土産物。鈴鹿土産といえばお菓子が手頃だけれど、シルバーストーンではそういうわけにいかない。シルバーストーンクッキーとかハンガーストレートチョコとか、作ってみたら売れそうな気もするのに(笑)←あったら買って帰ろうと思っていた。


BACK << >> NEXT

<< TOP