● おまけ>英国・食事に関する雑記
英国を旅行するとき、おいしい食事は期待してはならない、と巷で言われる。たしかに、英国人は一般的に日々の食事に贅沢は求めず、毎日同じメニューでも気にしない。そのためどの店に入っても品数は少ないし、だいたいレストラン自体のチョイスも限られている。そして何より高い。味は全体に薄味で、個人個人で塩胡椒をかけて調節するのがご当地流だ。英国人に言わせれば、日本の食生活は贅沢にすぎる、ということになる。
とはいえ、英国で食を楽しむ術がまったくないわけではない。郷に入っては郷に従え、というわけで、英国流・英国風の食の醍醐味はちゃーんとあるのである。その最たるものが、パブ・ミール。
英国のパブは、法律で午後11時までしか経営が認められていない。さらに、食事を出すのは昼間のみか、せいぜい午後8時までが基本。夕食を提供している場合でも、あまり多くは用意していないので、最初に確認する必要がある。(普通の英国人はお酒を飲むときには何もつままないか、せいぜいナッツやポテトチップスくらいです)
パブ・ミールの代表は、フィッシュ&チップス、シェパーズ・パイ、フィッシャーマンズ・パイなど。どこのパブで食べてもハズレは引かない。たいていは量がたっぷりあるので、女の子なら2人で分けるくらいでちょうどいい(ただし店によって違うのでこれも要確認。まぁ田舎へ行くほどでかくなると考えておけばOK)。
ここで『パイ』というのはいわゆるパイ生地をつかったものではなく、肉や魚をつかったグラタンのようなものをマッシュポテトで包んでオーブンで焼き上げた料理をさす。シェパーズ・パイがラム肉で(シェパード=羊飼い)、フィッシャーマンズ・パイが魚(フィッシャーマン=漁師)。米やパンはつかないが、ポテトが相当に重いので必要もない。
フィッシュ&チップスも、田舎の店だとタラ一匹まるごと使っていたりするので、かなりボリュームがある。ほんとうは海辺の町で食べるのが最高で、いちどこれをやると内陸の店のはもの足りないが、まぁ英国料理の代表なので不味くて食べられないということはない。ただ、要注意は油っ気。はっきりいって揚げもの系は油っぽいので、買って即食べるのでなければ避けたほうが無難です。
サラダはよっぽど洒落た店でなければ用意していない。英国には生野菜を食べる習慣はないので、どうしても食べたければスーパーのばら売りを利用して、トマトだのセロリだのを齧るのがいい。同じようにフルーツもばら売りを買うのがベスト。これにハムとパンがつけば、立派に一食になってコストはせいぜい3ポンドだ。
とくに、サーキットやピクニック、キャンプなどに行く場合は、食べ物は現地調達するよりも、できるだけ事前に用意しておくほうが経済的。どうしても事前準備の時間がないと予測される場合は、宿をスーパーのありそうな大きめの街中にとる、という手もある。
どうしてもレストラン派、という人は、インド料理かイタリア人の経営する(ここポイント)イタリアンが安くておいしい。間違っても英国人や他国人がシェフを務めるイタリアンに入ってはならない。パスタを水から茹でるのでぐちゃぐちゃのスパゲティを平然と出してくる。中華料理も比較的当たりが多いが、こちらは食中毒の面でも当たることがあるので気をつけましょう。
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