● 飲食物の確保という命題。

サーキット内での飲食が高くつくのは何処も同じ。…と、覚悟はしていたものの、グランプリは他のレースイベントと比しても言語道断なほど高かった。
たとえば、スーパーマーケットならばロンドンでも80ペンス程度のミネラルウォーターの250mlボトルが、1.5ポンド。日本円にして約300円!ジュース類もこの値段で、コーヒーに至っては紙コップに一杯で1.2ポンド。ハンバーガーはバーンズパンにバーガー(日本でいうところのミートパティ)を挟んだだけで2ポンド、これに炒めたオニオンスライスを加えて2.3ポンド、更にチーズを乗せると+50ペンス、といったかんじだ。(ついでに言うと、この手のバーガーは私はまったくお勧めしません)
サーキット〜宿の道程にスーパーがなかったので、金曜日を除いて水も食事も泣く泣くサーキット内で調達する羽目になった。といっても、朝食にフル・ブレックファストを食べてしまうと、さほどお腹が空かないので、もっぱら水分補給ばかりしていたが。(陽射しが強いので喉はものすごく渇く)メインの飲食エリア。昼時は芝生が埋まります。

鈴鹿と違ってレストランのような建物はなく、飲食物はすべてスタンド形式の売店で買うしかない。テーブルも、メインの飲食エリアに数えるほどしかないので、買ったらそのへんの芝生に座りこんでぱくつくか、座席に戻るか、どちらかだ。個人的には前者をお勧めする。自由席エリアも含め、スペースだけは有り余るほどにあるので、晴れていればピクニック気分が味わえる。
サーキット内でみかけた飲食系店舗は、先にあげたハンバーガー・スタンドの他、サンドイッチ、バゲットサンド、ピザ、フランクフルト、ドーナッツ、ベルギーワッフル、キャンディ・スタンド、ファッジ・スタンドなど。
解りにくいですが、テントの中にずらーっとビアポンプが並んでます。壮観。
パブ・スタンドは、各スタンド裏に2軒くらい軒を連ねていた。ほとんどの観客が車で来ているだろうに、さすがは「エール1パイント(約500cc)は飲んだうちに入らない=運転OK(警察にも見逃してもらえるらしい)」なお国柄だ。私はといえば、帰路の30分だけとはいえとてもそんな冒険はできず、英国にいるのにも関わらず極端に飲酒量の少ない旅だった。

英国人は甘いものが好きなのか、この国で売っているお菓子類はたいてい砂を吐くほど甘い。甘いだけ、というところがまたどうにも食べ辛いので、挑戦するひとは覚悟が必要だ。ベルギーワッフルを選んだ連れは一口食べて固まっていたし、私は覚悟の上で買ったドーナツの味に、思わず視線が宙を泳いだ(苦笑)。それでも、ファッジだけは是非試してみてください、と私は言う。砂糖の塊なのでものすごく甘いのだが、たとえばラムレーズンとかウィスキーファッジとか、風味がとてもいいので。(お酒ばっかり、というツッコミはなしでプリーズ)

結局、グランプリ期間中に私が口にしたものは、以下のとおり。
【金曜日】
朝…イングリッシュ・ブレックファスト 
昼…パン、りんご(前日夕方にオックスフォードにて買出ししておいたぶん)、午後アイスクリーム購入。
夜…ブラックリーのニュースエージェントにてサンドイッチ購入、宿に戻ってから食事。そのあと村のパブでエールとスコッチ。
【土曜日】
朝…イングリッシュ・ブレックファスト
昼…サーキットのスタンドにてジャケットポテト(チーズ添)購入、昨日の残りのりんご。
夜…シルバーストーン村のパブ・ホワイトホース2階にてフィッシュ&チップス、宿に戻ってから村のパブでエールとドライサイダー(りんご酒)とスコッチ
【日曜日】
朝…時間がなかったのでサーキットにてバゲットサンド購入
昼…どさくさに紛れて食いっぱぐれ、仕方なしにスタンドのリングドーナツ(小*4個入)とスナックで誤魔化す(りんごもまだ残ってたかな?)
夜…チャリティ・コンサートに現を抜かしていて思いっきり食いっぱぐれ、夜9時頃に腹を空かしてサーキットを徘徊していたら、見かねたのか後片付け中のスタンドのお兄ちゃんが残り物のパンとバーガーとオニオンで即席バーガーを作ってくれた。これにコーヒーがついて2ポンドという超叩き売り。やったね!(いい歳してそんなことで喜ぶな)

老若男女、道にまではみだしてひたすら呑む。
土曜日に寄ったパブ、『ホワイト・ホース』は、シルバーストーン村の中心にある。村には、かつてA43沿いにいくつかのパブがあったが、どうやら新A43建設に伴って移転もしくは閉店してしまったようで、ホワイト・ホースはたいそう盛況だった。パブの外壁。正真正銘ホンモノです。
パブは2階建てで、1階がいわゆる伝統的なスタンド形式のパブ、2階が食事、と分かれている。ここは内装がものすごい。欧州各国・各年のグランプリのポスターやら、往年の名ドライバーのサイン入り写真やら、使用済の各種ピットパスやら、揚句の果てはジョーダンのマシンが一台まるまる、分解されて壁や天井からぶら下がっている。1階の階段脇には本棚があって、Autosportのバックナンバーがぎっしり詰めこまれていた(もちろん手にとって読んでいい)。
メニューは普通のパブでしかないが、グランプリ中は、庭でバーベキューをやっていたりもして、遅くまで賑わっている。シルバーストーンの村自体はごくごく小さく閑静な田舎村なので、ちょっと意外なかんじもした。パブの向かいのニュースエージェントでは、ドライバーの写真なんかも売っているので、訪問の際にはぜひご覧あれ。


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