● コース案内 そのに。
+コプス内側+ <写真>
金曜の夕方、コプスの内側に辿りついたときは、すでに6時を回っていた。雨はすでに上がっていたが、薄鼠色の雲間から射しこむ陽は弱々しい。雨の所為か時間の所為か、自由席に人影はまばらで、風がふきつける土手はどことなく寒々しくてさびしげだった。
翌日、予選の前に通りがかったら、同じ場所は人で溢れかえっていた。空は青く、絶好のレース日和。観客はにぎやかにさざめき、予選開始を待つ。こんなにも印象が変わるものか。ちょっと驚いた。
+ブルックランド〜ラフィールド+
土曜日の午前中、連れと別行動をしている際にここでフリープラクティスを見学。予想していたとおり、マシンはうねるコースをゆっくりと辿り、ドライバーといっそ目があうんじゃないかというくらいのスピードだった。ここから、一気に加速してコプスへと向かうわけだ。
ここは指定席だが、コプス外側同様、座席前部に自由席の立ち見エリアがある。メインゲートの目の前とあって、国籍も年齢も様々なファンが大挙して柵にしがみついていた。
観客の声援が、印象に残っている。
+ベケッツ+ <写真>
土曜の予選をここのスタンドで観戦。予想していた以上の視界の広さに感動する。
マゴッツ〜ベケッツ〜チャペルは、おもしろい複合コーナーと関係者が口を揃えるように、クリアしていくリズムの重要さを感じた。勝負はコプスを立ち上がったところから既に始まっている。ミヒャエルは、さすが。鳥肌が立つかと思った――ぐるりと首をめぐらせた先のアビーで、すっ転んでくれたけれども。
セッション中にうさぎが目の前の草地を飛び跳ねるほどの長閑さに、つい、欠伸なども。
● コース案内 番外編
+パドック周辺+
金曜日、コプスまで遠出した帰り道のこと。もときた道をメイン・エリア(ピットストレート周辺)へ戻る途中、ふと思いたってパドックを覗いてみることにした。
アビー横のブリッジを渡ってすぐ左側に、パドッククラブが設けられていた。ゲートの前でたむろっているファンが数人。ただ、ここで待っていてもドライバーは滅多にやって来ないとは思うが。(パドックとは隔離されている)
メディカルセンターを左手に更に奥を目指すと、駐車場のところで出待ちの子供たちが警備員と話をしていた。パスなしで入れるのはここまでらしい。F1は、この日午後6時からドライバーズミーティングが入っていたはず。いつまで待たされるやら判らないし、通りかかるとしても車の中だ。今回はドライバーに会うことが目当てではないから、立ち止まることなく右折。コプスのトンネルを目指した。
サポートレースのパドックがつくられているため、通路はそれを避けて左右にくねくねと続く。突きあたりの小型ガソリンスタンドの鉄扉に子供たちが群がっているから何かと思ったら、隙間からパドックが覗けるのだった。
いい歳をして、と思わなくもなかったが、子供に混じって覗いてみた。写真が撮れるほどの隙間ではないが、中を行き来する人は見える。2年前のテストのときは、あそこを歩いていたのだ。こうしてみると、手の届かない領域だけれど。
右手のほうは、タイヤ屋さんのエリアだった。使用済みのBSタイヤが4つずつ積み重ねられ、テントの外で作業待ち。そのすぐ脇でジャガーのスタッフが3人、大きな荷物を金網越しにパドック内に運び入れようとしているので、見ればスキッドブロック。…そんなぞんざいな扱いをしてもいいものなのか?(っていうかもうちょっと行けばちゃんと出入り口があるのに…)
パドックのいちばん端に、軍用車両2台と軍用ヘリが1台、鎮座ましましていた。
+ヒストリックカー+
こちらは土曜の予選後の話。
ベケッツのスタンドから、なんとなしに歩いていると、サポートレースを戦うヒストリックカー(いわゆるクラシックカーを英国ではこう呼ぶ)のパドックにでくわした。
年代もののカエル顔さんや出目金さんやブタ鼻さんたちが、テントの下で誇らしげにずらり雁首をそろえていた。さながら博物館、だが、どれもこれも立派に現役のレーシングカーだ。持ち主もレーサーも基本的にアマチュアだから、どうぞ見てくださいとばかりに陳列してある。360度ぐるりと覗いても誰にも咎められない。もちろん写真も撮り放題。
何台かはボンネットやら足まわりやら、半解体状態で整備に余念がなかった。がんがんがん!とものすごい音がしたので吃驚して覗いてみたら、前日(金曜日)のプラクティスでクラッシュしたらしく、後部がべこんと派手にへこんでいるのを修理中。といっても、スパナでもって裏側から力任せに叩いて形状を戻しているだけなのだが…。車体の他の部分が傷ひとつなく磨きあげられているだけに、「ぎゃーっそんな無体な!」と叫びたくなるような修理の仕方だった。(うーん、このアバウトさも英国らしい…)
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